

白いユリは純潔をあらわし、聖母の象徴としてよく絵にも描かれていますね。
この鬼百合Tigerlilyは、もっと野生を感じます。
鬼だの虎だのと、恐ろしげな名前をつけられていますが、どこか陽気でおてんばな女の子を思わせませんか?
谷間に咲くのは白百合よりも鬼百合の方が、気持ちが和らぎます。
このユリの球根は百合根と言って、日本ではよく食べられていますね。
うす甘く煮て、おせちのお重の片隅なんかに入ってたのを懐かしく思い出します。
真夏から晩夏かけて咲き、今は地下で百合根を太らしている頃でしょう。
花言葉は、陽気、または賢者。

ヒースと言えばブロンテの「嵐が丘」を思い出します。
英国の短い夏を彩る花ですが、寒い季節にはとげとげの分枝があらぶれて見えます。
ヒース(heath)は、元は荒野という意味なのです。
エリカ(erica)とも言います。
この花のお茶は、痛風、リウマチ、腎臓結石なんかに効くといいます。
もう花も終わった頃で、野や丘はまた荒野の風情を帯びてくるでしょう。
よく群生し、とても強い植物です。
凍りつくような風の中で冬を過ごしても、暖かくなってくると硬い枝に夢のような色合の花をいっぱいつけてくれます。
そして、この花の花言葉は「孤独」。

この花はモネの作品で有名ですね。
モネは43歳から以降をノルマンディーのジベルニーという村で暮らしています。
邸に日本庭園を造って、スイレンを育てた池もあります。
一度、訪れたことがありますが、柳や藤に囲まれたその池には中央が少し高く湾曲した青い小さな橋がかかっていました。
モネはこの橋をLe pont japonaisと呼んでいたそうです。
夏に咲くスイレンは英語ではwaterlilyと言います。
ユリ科の植物ではないのに、面白いですね。
花言葉は、清純、または信仰。

マグノリアは木蓮やコブシなどの総称です。
普通、マグノリアというと、白木蓮を思い浮かべる人がおおいです。
春に咲く白くて大きな目立つ花です。
香りもとても優雅で気品があります。
このマグノリアの白はしっとりとしたミルク色に近い白で、丸みのある花びらの形も手伝って、聖母マリアを連想させます。
ヨーロッパ各地の女子修道院の構内には、この白いマグノリアの花の木がよく植えられています。
マグノリアを「天へ飛び立つ銀の鳩」と表現した詩人がいましたね。
この花も、その静かであたたかなたたずまいのために、宗教的な意味を持っているようです。

この時計草は英語ではPassion Flower、受難の花という意味です。
クリスチャンにとっては、キリストの受難を表す、とても宗教的な意味を持つ花なのです。
花柱は十字架上のキリスト、3つに分れた雌しべはキリストに打ちつけられた釘、巻いているツルは鞭、副花冠は茨の冠のように見えます。
園芸品種も多く、白や紫の物以外にもいろいろあって、とても種類の多いお花です。
ツルで伸びていき、強い植物です。
時計草の仲間には果物時計草という植物があり、その実はパッションフルーツとして知られています。
とても香りが良くて、さわやかな果汁の果物です。
時計草の花を見る時、人間の罪のすべてをわが身に引き受けて、あえて十字架にかかったキリストの愛を思います。


ひなげしは春から夏の初めにかけて咲き、いろんな種類が多く、色もさまざまあります。
赤やオレンジのほかに、白や紫、ブルーもあり、八重咲きの品種もたくさんあります。
ブルーのひなげしは、とても珍しく、ヒマラヤ原産で高い所に咲きます。
とても神秘的な感じなので、いつか実物を見てみたいと思っています。
写真はオレンジのひなげしと赤のひなげし。
この花びらのドライな感じをうまく撮るのに苦労しました。
赤いひなげしは、モネの絵の「ひなげし」の感じを出したかったので、シャッタースピードと絞り値をちょっと工夫してみました。
モネの絵はひなげしの咲く丘の横の道を、妻と子が歩いている構図ですが、私はとても好きです。
パリのオルセー美術館で見られますよ。
モネが描いたお花は、とても優しい目線を感じます。
ひなげしは虞美人草とも言われるそうです。
項羽と劉邦のお話に出てくる項羽の妻の虞さんから名前をもらったのでしょうか。
印象的な花ですが、姿はどこかはかなげに見えて、悲劇の美人の名にふさわしいです。
でも、本当は、この花の生命力は意外と強くて、たいして世話をしなくても毎年しっかり咲いてくれます。

ああ、なんてセンチメンタルな名前でしょう!
ドイツ語でもVergiss mein nichtと言い、私を忘れないでという意味です。
ドイツの伝説が名前の由来だそうです。
騎士のルドルフさんが恋人の少女ベルタさんとドナウの岸辺を歩いているとこの花が咲いていて、ベルタさんが欲しがったので取ってあげようとしたルドルフは、足を滑らせて川に転落して溺れ死んでしまいました。
川に落ちた時、ルドルフは取った花をベルタに差し出すようにして「私を忘れないで!」と言ったので、この名前がついたそうです。
ベルタは一生、忘れな草を髪に飾って、ルドルフを忘れませんでした。
かわいそうに、ルドルフさんは泳げなかったんでしょうね。
ベルタも、こんな死にかたされるとほかに恋人作る気にもなれなくなって、ずっとひきずってしまったのかしら。
あ、でも、ずっと恋人もなく暮らしてたとは言ってないんですよね。(^^;;
おばあさんになっても忘れな草を髪を飾っていたのかしら?
白つめ草の首飾りと同じで、この花は少女には似合うのだけど…。
夏以外の季節には忘れな草以外の花を身につけていたのかしら?
いろいろ考えると、あまりロマンチックじゃなくなってしまいますね。



バラは花の中でも一番好きな物です。
種類もたくさんあります。
栽培されている物は一般にはモダンローズが多いですが、原種に近いオールドローズ、中間のイングリッシュローズなどがあります。
左の写真はよく売られている切花のモダンローズたち。
真ん中がオールドローズのモッコウバラ。
右がイングリッシュローズのアブラハム・ダービー。
他にもいろいろあります。
モダンローズのほとんどは四季咲きで、夏の初めと秋の2度咲きます。花の色も豊富です。
オールドローズは原種に近いので強くて育てやすいです。強い香りが特長です。
イングリッシュローズはその両方のいいところを兼ね備えた品種です。

小さい頃、白つめ草でお花の首飾りを作った思い出がありませんか?
クローバーは西洋種ですが、白つめ草は日本の在来種らしいです。
とても近い親戚で、花の先がすこし赤いのがクローバー。
この紫つめ草は全体に赤紫で、少し地味に見えますね。
葉っぱはカードのクローバーとしてよく知られた三つ葉の形ですが、ごくまれに四つ葉があります。
幸運のしるしとして探した覚えもあります。
好きな詩集のページにはさんで押し葉にしたものです。
なんとなく懐かしくなります。

黄色のかたばみはいたるところに雑草としてはえていますが、この色は珍しいでしょ。
クローバーみたいな三葉で、お花は小ぶりです。
園芸家用に改良されたもっとお花の大きなかたばみは、オキザリスと呼ばれます。
白や淡ピンクのかわいいお花をつけます。

ねむの木の花はけぶるように咲き、とても良い香りがします。
近くで見るとこの花は、張りのある絹糸を根元で束ねたポンポンのように見えます。
白絹糸の先端を紅でさっと染めたような色で、品の良いおおらかさを感じます。
ねむの木の葉っぱは夜になると閉じるので、いかにも寝てしまったような感じになります。
そこから付いた名前でしょうか。
葉っぱが閉じて垂れてしまうのはオジギソウもですが、オジギソウは触った時に閉じるところが違います。
ねむの木の葉っぱは触っても閉じません。
ねむの木の皮は、昔から煎じて胃の薬として使われています。
名前はよく知られているのに、案外見たことがないという人が多いです。

♪うのはなの におう垣根に ほととぎす はやも来鳴きて…
という歌がありましたよね。
「夏は来ぬ」でしたっけ?
そのうのはなは、やっぱり来たばかりの夏の花です。
人目を引く色もなく、香りもやさしい、静かなたたずまいの花です。
どこにでも、うのはなのような人がいます。
そっと静かに微笑んでいて、その人がいるだけで安心できるような、心があたたまるような人です。
大好きなお花をだしにして、いろんなお話していきたいと思ってます。
すでにヨーロッパに来てから15年、日本語を忘れかけてた私ですが、インターネットのおかげで
日本語でおしゃべりができるようになったのがうれしいです。
ほとんど日本にも帰国してないし、最近まで日本語で話す機会がほとんどなかったので、相当あやしい日本語になってると思います。
そういう時は教えてくださいね。